コタキナバルウェットランドの植物について
植物は地球上で最も成功した生物の一つです。植物は地球のほぼあらゆる場所、さまざまな条件の下で成育することができます。それは砂漠の暑く乾燥した気候、寒くて乾燥した北極圏の気候、湿度が高く低酸素の山岳地の気候、水中やマングローブ内や河口のような塩分濃度が高い場所などです。 しかし、過酷な条件下で生き残るためには、その環境に耐えうる特性が必要です。
マングローブの沼地は、植物が生育する上で最も厳しい環境の一つです。土壌には高い塩分が含まれています。土壌構造が不安定であり、水分過剰になると、酸素が土壌に浸透するのが制限されます。極限的な状況にもかかわらず、マングローブは驚くほど「緑の毛布」に覆われ、地球上で最も生産的な生態系の1つとしても知られています。マングローブに成育する植物は、その環境に物理的、化学的および生物学的な耐性を持つ特徴を持っています。
マングローブの沼地は、定期的な降雨、地下水や河川で希釈された海水が流れ込む入り口を持っています。良い条件下では、マングローブは平均30メートルまで成長します。いくつかの種で最大35メートルに達することがありますが、通常では40メートルを超えません。大きなマングローブの森林では、異なる種のマングローブが一定の場所ごとに支配する(ゾーニング)が明確な構造を示しています。マングローブの植生帯は、海、河岸、水路(塩水の源)と場所によって異なる塩分濃度の違いにより形作られる可能性が最も高くなっています。
コタキナバルウェットランドではこれまでに32種類のマングローブが同定されています。それは15種の真性マングローブ種と17種の準マングローブ種で構成されています。ほとんどのマングローブ森林で通常見られるように、リゾフォラ・アピキュラタ(バカウ・ミニャック:マレー語)種は、コタキナバルウェットランドの中で高い割合を占めています。2番目に最も豊富な種はアビシニア種です。泥の道(用水路)沿いと野鳥観察舎の周りに成育しています。